【完全網羅】金属アレルギー対応の指輪の金属素材11種類を徹底解説

金属アレルギー対応の指輪の金属素材11種類

「彼女が金属アレルギーなので、
 2人で揃って着けられる結婚指輪を探しています。」

「金属アレルギーで、もう指輪は着けられないのでは、
 と悩んでいました。」


最近は、金属アレルギーでお悩みの方からのご相談が増えています。

でも、大丈夫です!

結論から言うと、金属アレルギーは、素材に気をつければ避けることができます。

TOKYO DIAMONDでは、金属素材の探求に17年、金属アレルギーに特化して8年。
現在は年間200組以上、金属アレルギーでお悩みの方からの相談をお受けして、結婚指輪の注文制作を行なっています。

そこで、このコラムでは、金属アレルギー対応の金属素材11種類を完全網羅して、実際の制作例をもとに出来るデザイン・出来ないデザインをお伝えします。

結婚指輪選びの参考にしていただけたらと思います。



そもそも金属アレルギーとは?

金属に触れている部分が、赤く炎症を起こしたり、痒くなったり、ブツブツと湿疹が起きたり、ひどい場合はただれになるのが金属アレルギーの症状です。

また、なんとなく頭痛がしたり、肩凝り、疲労など、体調不良が続いている原因が、金属アレルギーの場合もあります。

金属から溶け出した金属イオンが、体内に取り込まれたことで、これらの症状を引き起こします。

最近では、指輪やピアスなどの宝飾品だけでなく、歯科金属が原因で、唾液に溶け出した金属が体内に吸収され、全身に金属アレルギーの症状が広がる、といったことも増えているようです。



金属アレルギーにならないためにすべきことは【3点だけ】

金属アレルギーの詳しいメカニズムの話などはこれまでにも書いているので、ここでは説明を省きますが、気をつけることはシンプルにまとめると次の3点だけです。

【1】金属アレルギーの原因になる金属を身につけないこと

【2】身につけるならば、金属アレルギーの原因にならない金属素材を選ぶこと

【3】衛生状態に気を付け、汚れが溜まったりしないデザインを選ぶこと


【1】については、金属アレルギーの方なら、これまでに身に着けた宝飾品やアクセサリーで金属アレルギーが起きた経験があると思いますので、そういったものは避けているかと思いますが、歯科金属が原因で金属アレルギーを起こしている場合もありますので、その場合はセラミックに変えるなどの対策が必要です。

気をつけたほうがいい金属についても、この後、分類して網羅的にお伝えさせていただきます。

【2】と【3】についても、詳しくお伝えします。



金属アレルギーの原因になる金属と、金属アレルギーの原因にならない金属

金属アレルギーの原因になる金属と、金属アレルギーの原因にならない金属

それでは、気をつけたほうがいい金属のほうからご紹介してゆきます。

金属というのは、身近な鉄や銀などの他にも、白金(プラチナ)や金(ゴールド)などの貴金属など、よく知られているものの以外にも、全部で85種類もの金属があります。

宇宙に存在する全てを構成するのが118の元素なので、そのうち85元素が金属であるということは、宇宙の約3/4は金属だといえます。なので、非常にたくさんの金属があります(宇宙を構成するのは元素の状態以外にも、プラズマ状態や電子、光子などの状態もあるので全てではないのですが、ここでは手に取れる物質を扱うので、このように書いています)。

その中で、アレルギーを引き起こすかどうか、という視点で見た場合、85種類もある金属元素の中で、日常生活で触れる可能性のあるものにしぼり、その中で安全なものと肌に触れることを避けたほうがいいものを分類すると分かりやすいのではないかと思います。

【分類1】アレルギー反応が起こりやすい金属

・ニッケル
・コバルト
・スズ
・水銀

【分類2】過敏な人は避けた方がいい金属

・パラジウム
・クロム
・鉄
・アルミニウム
・亜鉛
・銅

【分類3】アレルギー反応が起こりにくい金属

・ルテニウム
・ロジウム
・レニウム
・プラチナ
・イリジウム
・銀
・金

【分類4】アレルギー反応がほとんど起こらない金属

・チタン
・ジルコニウム
・ニオブ
・ハフニウム

【分類5】まったくアレルギー反応の心配がない金属

・タンタル


この順序はつまり、金属イオンが溶け出しにくい順=イオン化傾向の順、でもあります。

分類1と分類2は卑金属と呼ばれるグループです(厳密にはパラジウムだけは卑金属ではありませんが、ニッケルに近い性質を持つので金属アレルギーのなりやすさは卑金属と同程度です)。分類3は貴金属と呼ばれるグループです。分類4と分類5は不動態を形成する金属グループです。

ちなみ人によっては、金属アレルギーの起こりやすさが同分類内で逆転するなど多少の個人差がありますが、分類を超えて逆転することはほとんどないかと思います。



合金の金属アレルギーにも注意!

合金の金属アレルギーに注意!

金属元素は85種類ですが、金属は違うものどうしを熱して溶かして混ぜ合わせると、別の性質を持つ特性があるので、混ぜ合わせて使われることが多いです。これを合金(ごうきん)といいます。

たとえば、宝飾品によく用いられているプラチナには、10%のパラジウムを混ぜて硬くしたPt900という合金です。また18金というのは金に銀と銅を25%混ぜて、硬くした合金です。

合金の場合、金属アレルギーの起こりやすさは、含まれている金属の種類のうち1つでも金属アレルギーになりやすい金属があると、その金属と同等になってしまうことです。

ですので、Pt900合金の金属アレルギーの起こりやすさはパラジウムと同等ですし、18金の金属アレルギーの起こりやすさは銅と同等なので注意が必要です。

また医療用サージカルステンレスは、鉄とニッケルとクロムとモリブデンからなるSUS316Lというステンレス合金です。クロムとモリブデンの不動態膜によって比較的安定していますが、ニッケルが12%含まれているので、金属アレルギーの方は避けたほうがいいです。

他、合金ではありませんがメッキにも注意が必要です。市販品にはロジウムメッキが掛けられたものがありますが、メッキの下地にはほとんどの場合ニッケルメッキが施されており、メッキがはがれてゆく過程でトラブルを生じます。基本的にメッキやコーティングなど表面を取り繕ったものは、長い目で見た場合、避けたほうが賢明です。



金属アレルギー対応の結婚指輪の金属素材11種類

それでは、金属アレルギーの原因にならない金属素材と、金属アレルギーの心配が少ない金属素材、合計11種類を写真画像と合わせてご紹介したいと思います。

まったくアレルギー反応の心配がないタンタル
タンタルの指輪にディアナサンダイヤモンド Tantalum & Diana Sun Diamond

タンタルという金属は、金やプラチナを溶かしてしまう王水や、強力な酸である熱濃硫酸にさえ溶けない全物質中で最高の耐食性を持つ金属です。当然、着用や日常で触れる化学物質程度では、侵すものはないので、イオン化して溶け出すことはなく、金属アレルギーの原因になりません。

医療分野でも、その安全性(化学的不変性)から、人工頭蓋骨の素材や、人工心臓の金属部位として、血管に通すカテーテルとして、他、脳内の血液中にタンタル微粉末を直接注入して放射線検査に用いるなど、そういった人体に対して最も安全性を確保しなければならない用途で代わるもののない金属素材でもあります。

その上、純粋な状態で硬度と耐摩耗性が高く、粘り(=展延性)もあるので、結婚指輪の素材としては丈夫なだけでなく、サイズ修正をしながら一生身に付けることが可能な素材です。

見た目の特徴としては、全ての金属の中でもっとも黒い金属色であり、鏡面に磨き上げた時の気品のある雰囲気は、他のどんな素材とも似ていない独特の重厚感を持ちます。



アレルギー反応がほとんど起こらない4種類
ハフニウム、ジルコニウム、ニオブ、チタン
ハフニウムの指輪

ハフニウム

ハフニウムは、タンタルとほぼ同等の耐食性を持ち、明るい銀白色の輝きを持つ金属です。王水や熱濃硫酸にさえ溶けないタンタルに比べて、ハフニウムは粉末状態ではわずかに熱濃硫酸に溶けるとされています。ただ塊の状態では王水にも熱濃硫酸にも溶けません。当然、着用や日常で触れる化学物質程度では、ハフニウムを侵すものはなく、イオン化しないので金属アレルギーの原因になりません。

ハフニウムの魅力は、金属の色の明るさと、その銀白色が変色しないところです。金属アレルギーの心配がない金属の中で最も明るい色です。プラチナに近い見た目で金属アレルギーの心配がないので、自然な雰囲気で結婚指輪として身につけられます。ダイヤモンドとの相性もとても良いです。

丈夫で変色しないからメンテナンスフリーな点、適度な粘りがあるのでサイズ修正を繰り返しながら一生身につけられるのも、ハフニウムの素材の良さゆえです。




ジルコニウムの指輪

ジルコニウム

ジルコニウムもまた、着用や日常で触れる化学物質程度では、侵すものはなく、イオン化しないので金属アレルギーの原因になりません。耐食性という点ではタンタルやハフニウムよりもわずかに劣り、長年の着用で少しずつ黄変してゆく欠点があるのですが、ジルコニウムの最大の特徴は多彩に発色する性質です。

この発色は、シャボン玉や、モルフォ蝶の発色と同じ原理の構造発色によるもので、塗装やメッキなどとは違ってかぶれや、その他トラブルの原因になることがありません。発色はジルコニウムの表面が酸素と結びついて変化した酸化ジルコニウムなので、金属アレルギーはもちろん一切の害がありません。酸化ジルコニウムは歯科治療に用いられるジルコニアセラミックと同じものですので安全性の高さは、医療分野でもよく知られたものです。

発色は色落ちしても、改めて発色しなおすことも出来ますし、黄変もサッと磨けば元どおりの銀色が蘇ります。適度な粘りがあるので、サイズ修正も可能です。




ニオブの指輪

ニオブ

ニオブもまた、着用や日常で触れる化学物質程度では、侵すものはなく、イオン化しないので金属アレルギーの原因になりません。

ニオブも素晴らしい性質を持つ金属ですが、それほど選ばれることが無いのは、際立った特徴が無いことかと思います。金属の色はタンタルより明るく変色もしないのですが、ハフニウムと比べるとハフニウムのほうがわずかに明るいです。またジルコニウムと同様に多彩な発色をしますが、ニオブの発色皮膜の硬度はジルコニウムの発色皮膜よりも柔らかいため、発色の色落ちが少し早めです。またチタンほど価格が下がるわけでもないです。

ニオブは高温超伝導の材料として物理的に面白い性質を持ち、珍しいレアメタル素材です。




チタンの指輪

チタン

チタンは、金属アレルギー対応の金属の代表のように、よく知られた金属です。耐食性としては、水酸化ナトリウムなどの強アルカリに溶けたり、海水に長年晒されるとわずかに侵されたりしますが、基本的に着用や日常で触れる化学物質程度ではイオン化しないので、金属アレルギーの原因にはほとんどなりません。

チタンの最大の特徴は、その軽さと、重量当たりの強度です。航空機の材料として用いられたり、アウトドア用品の高機能材料として用いられたり、高機能で強いイメージから男性に好まれることが多いです。また比重が軽いことから体積の割に材料原価が低く抑えられるため、大きなボリュームの指輪を作っても価格を抑えられることもメリットです。

ちなみにチタン合金には、アルミニウムやニッケルが含まれるものもあるので、金属アレルギーに配慮するには、純チタンであることを確認する必要があります。




アレルギー反応が起こりにくい7種類
金、銀、イリジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム
金(ゴールド)の指輪

金(ゴールド)

金はプラチナと並んで、結婚指輪の代表的な素材です。一般的には金属アレルギーの原因になりにくい素材と言われていますが、過敏な人では金にさえ金属アレルギーが出てしまう方が稀にいます。

また、金は純粋な状態(=純金)では、柔らかすぎて指輪の素材としては向かないため(純金はいくら鍛造で硬度を上げても、時効軟化作用で置いておくだけで柔らかく戻ってしまいます。)、何らかの別の金属を混ぜて合金にして用います。ですが、その混ぜられた別の金属が金属アレルギーの原因になってしまうことが多いです。

TOKYO DIAMONDでは、金に混ぜる金属を厳密に選ぶことで、なるべく金属アレルギーに配慮した制作を行なっています。主な種類としては、22金イエローゴールド、22金オレンジゴールド、22金グリーンゴールド、14金ピンクゴールドの4種類です。

22金というのは22/24=91.6%の純度の金ということです。18金(75%の純度の金)よりも金の純度が高いため金属アレルギーの可能性は低く、その分地金は柔らかくなってしまうのですが、入念な冷間鍛造を施し、焼鈍を入れないで鍛造上がりにすることで、できる限り硬度を上げて丈夫に仕上げています。

14金ピンクゴールドには、40%もの銅を含みますので、金属アレルギーの無い方だけにおすすめしております。





イリジウムの指輪

イリジウム

イリジウムは貴金属の中でも、もっとも耐食性の高い金属です。しかも純粋な状態で何も混ぜなくても硬くて丈夫なので、金属アレルギーの原因になる可能性は非常に低いです。

イリジウムの最大の特徴は、全物質中でもっとも重く、全物質中でもっとも存在量が少なく、しかもプラチナよりも白い輝きが強く、まさに全物質の頂点、貴金属の王様である点です。

ここではイリジウムの魅力は書きつくせませんが、興味のある方は調べてみてください。恐竜絶滅の隕石の話や、象徴や由来など、調べるほどに興味は尽きません。またオーダーメイドでその方のためだけに作られたイリジウムの指輪の着け心地、宇宙でもっとも重い密度、感じるもの、など着けた方にしか分からない価値があります。

それでもイリジウムの金属アレルギーは全くゼロという訳ではなく、金属アレルギーパッチテストでもイリジウムは検査項目に含まれますので、気になる方は金属アレルギーのパッチテストを受けることをおすすめいたします。




イリジウム割プラチナの指輪

プラチナ

結婚指輪の素材として、今も昔も人気が高いのは、やはりプラチナでしょう。プラチナは一般的には金属アレルギーの原因になりにくい素材と言われていますが、やはり過敏な人ではプラチナに金属アレルギーが出てしまう方がいます。

プラチナも金と同様に、純粋な状態(=純プラチナ)では、柔らかすぎるため、別の金属を混ぜて硬くして用いられます。混ぜられる金属として一般的なのがパラジウムですが、このパラジウムが金属アレルギーの原因になりやすいことが知られています。

TOKYO DIAMONDでは、パラジウムを含まないパラジウムフリーのプラチナとして、イリジウムを混ぜて硬く調整したイリジウム割プラチナ(Pt900-Ir100)を主に用いています。他、ルテニウムを混ぜて硬くしたルテニウム割プラチナ(Pt950-Ru50)も用います。

金属アレルギーに配慮した場合はハフニウムを用いるほうがいいのですが、ツメでダイヤモンドを留めるデザインや、ロウ付けで組み立てるデザインなどプラチナでしか出来ないデザインもあります。そういう場合は、金属アレルギーの状況をよくお伺いした上で、なるべく金属アレルギーに配慮したイリジウム割プラチナでお作りしています。



レニウムの指輪

レニウム

レニウムは、プラチナやイリジウムと同じ白金族(はっきんぞく)の仲間の1つで、しかも純粋な何も混ぜない純レニウムの状態でも硬くて丈夫なため、金属アレルギーの心配が非常に低い金属素材です。

金属色はイリジウムやプラチナに比べるとややダークで、比重21とずっしり重く、重厚な雰囲気があります。レニウムが魅力的なのは、最後まで発見されなかったその希少性とその性質でしょうか。レニウムの存在は長らく日本人研究者によって「ニッポニウム」という仮名の金属が示唆されていました。ところがソビエト連邦の研究者によってついに発見されレーニンの名を冠してレニウムと名付けられた金属です。


ロジウムの指輪

ロジウム

ロジウムもまた、プラチナやイリジウムと同じ白金族(はっきんぞく)の仲間の1つで、しかも純粋な何も混ぜない純ロジウムの状態でも硬くて丈夫なため、金属アレルギーの心配が非常に低い金属素材です。

ロジウムは、宝飾品の世界では一般にメッキの材料として用いられることが多い金属です。変色が無く、硬くて、しかもプラチナよりも明るい金属色を持つため、ホワイトゴールドにロジウムメッキをかけて色を明るく見せたり、場合によってはプラチナと言われているものにも、より明るく見せるためにロジウムメッキが掛けられているのを見かけることがあります。

メッキがそもそも良いことなのか悪いことなのか?ここでは議論はしませんが、金属アレルギーの観点で見たとき、ロジウムメッキの問題はロジウムメッキの下地にニッケルメッキがほぼ必ずされていることです。永年の着用によってロジウムメッキが削れてゆく過程で、露出したニッケルが金属アレルギーなどのトラブルを引き起こしがちです。

TOKYO DIAMONDでは、このロジウムを、メッキとしてではなく、純度100%の塊の状態で、純ロジウムの指輪として実現しています。


ルテニウムの指輪

ルテニウム

ルテニウムもまた、プラチナやイリジウムと同じ白金族(はっきんぞく)の仲間の1つで、しかも純粋な何も混ぜない純ルテニウムの状態でも硬くて丈夫なため、金属アレルギーの心配が非常に低い金属素材です。

ルテニウムが、宝飾品の材料として用いられるのは、プラチナを硬くするための合金の材料としてです。ルテニウムは、ほんのわずかな添加でプラチナの硬度を上げる効果を持つので、ハードプラチナとかルテニウム割プラチナと呼ばれるプラチナ95%-ルテニウム5%合金として用いられます。ルテニウム割プラチナは鍛造加工によって著しく硬度が上がるので、海外系の鍛造を売りにしたブランドや、他プラチナの純度の高さを謳うブランドで採用されています。

金属アレルギーの観点では、プラチナに比べてルテニウムのほうがやや金属アレルギーの原因になりやすいため、TOKYO DIAMONDではより金属アレルギーになりにくいイリジウムを使ったイリジウム割プラチナのほうを採用することが多いです。

TOKYO DIAMONDでは、このルテニウムを、合金としてではなく、純度100%の塊の状態で、純ルテニウムの指輪として実現しています。純ルテニウムの指輪は、青白い独特の色味を持っていて非常に美しいです。



*銀(シルバー)に関しては、金属アレルギーの可能性は低いのですが、温泉で黒く変色してしまうこと、純銀の状態では柔らかすぎることなどから、TOKYO DIAMONDでは結婚指輪の素材として積極的には採用していません。銅を混ぜて硬くしたスターリングシルバーは、挙式用の代用リングとして、あるいは試作用のリングとしてお作りすることはあります。



デザインの注意点

金属アレルギーに留意した場合、金属の種類に気をつける以外にも、デザイン上の注意点があるので、書いておきたいと思います。

それはなぜかというと、汗や雑菌などもかゆみや肌荒れの要因になるからです。

複雑な形状やデザインは、そこに汗や汚れが溜まり、雑菌が繁殖しやすいのです。たとえば指輪の内側に深い刻印が刻まれていると、そこに汚れが溜まりかゆみを引き起こす可能性があります。

また、指輪表面の仕上げ加工については、なるべく凹凸を少なくして鏡面のようにピカピカに磨いてあるほうがいいでしょう。

鏡面仕上げの指輪であれば、付いた汚れなどは拭き取ったり、指輪を着けたままお風呂に入ってお湯で洗い流せば、ほとんどの汚れはきれいに落とされて、清潔に保たれます。

こまめなクリーニングをすることは清潔に保つ上で確かに有効ではあるのですが、こまめなクリーニングをしなければトラブルになるデザインを選ぶよりは、毎日着けるものですので、こまめなクリーニングをしなくても着けたままお風呂に入るだけで汚れが落ちてしまうようなデザインを選ぶほうが、ストレスもなく快適な毎日を過ごせると思います。

木目金のリング

そのほか、木目金(もくめがね)や、コンビネーションリングのように異なる種類の金属を組み合わせた場合は、電池効果によってガルバニック腐食が起こるので、金属イオンが溶け出しやすくトラブル になりがちです。過敏な方は、異種金属を組み合わせたものは避けて、単一素材で出来た指輪のほうがいいでしょう。



金属アレルギー対応の結婚指輪のデザイン例

TOKYO DIAMONDでは、金属アレルギーに専門特化して、金属アレルギーに配慮したデザインの工夫を積み重ねています。ここではいくつかの金属アレルギーに配慮したデザインや、金属アレルギーを避けるためのデザインのこだわりポイントをご紹介したいと思います。

プリンセスハグセッティング

プリンセスハグセッティング

金属アレルギーに配慮しつつ、ダイヤモンドの輝きを強く、しかも日常生活の中で安全に身につけられるよう工夫したデザインです。

プリンセスカットダイヤモンドという四角形のダイヤモンドを、ハフニウムやタンタルなどの強靭な素材でガッチリとホールドしたこのデザインは、プリンセスハグ=お姫様だっこ、から名付けています。素材の強さから見た目以上の安定感があります。

リングの幅いっぱいの大きさのダイヤモンドが輝きますが、ダイヤモンドが出っ張らないので、重ね付けをしても隣のリングを硬いダイヤモンドが引っ掻いてしまうことがありません。無駄な凹みや隙間を極力排除した形なので、汚れや異物が溜まりづらく、基本的には着けたままお風呂に入れば清潔に保たれてしまうメンテナンスフリーのデザインです。



究極の着け心地を追求した丸み

究極の着け心地を追求した丸み

一見ただのシンプルなリングに見えますが、指を通してみるとびっくり!体験した方は、この着け心地の良さに驚かれた方も多いと思います。

しかも、オーダーメイドでは0.25号刻みで、ジャストフィットにお作りするので、このデザインでジャストフィットに調整すると、スッと消えたように着けていることを忘れるような着け心地になります。結婚指輪においては空気のように存在感がないことは、むしろ喜ばしいことではないかと思います。

着け心地の良さを追求して、ここ6、7年を掛けて磨き上げたデザインです。接地の小さいリング内側の丸みから側面にかけて滑らかに曲面がつながり、外周の美しい丸みへと形がつながってゆきます。鏡面に磨き上げた曲面が写し込む世界を覗き込むと、これまた美しいです。

タンタルやハフニウムなどのストレスのない素材で、ストレスのないこの形は、金属アレルギーやアトピーの方でも安心して着けていただける配慮の結晶です。これを超える着け心地のリングは、この世に存在しないと自負しています。



エタニティリング

エタニティリング

ダイヤモンドが敷きつめられたデザインをエタニティリングと呼びます。このエタニティリングを、ハフニウムを使って、金属アレルギーに配慮してデザインすると、このようになります。

日常生活にダイヤモンドの輝きを散りばめたい!安心安全の素材で。

ハフニウムには強い鍛造を施して、細くても丈夫に、そしてダイヤモンドの座りの安定感も高めています。柔らかいプラチナで安全マージンを多くとって制作すると野暮なデザインになりますし、華奢すぎても石の脱落が心配です。それをハフニウムの素材の強さでバランスを取っています。

ダイヤモンドはリングから飛び出していないので、重ね付けをしても隣のリングを引っ掻いたりしません。余計な肉抜きなどは行わないでもダイヤモンドが明るく輝くように工夫されているので、汚れや異物が溜まりづらく、基本的には着けたままお風呂に入れば清潔に保たれてしまうメンテナンスフリーのデザインです。

ハフニウムとダイヤモンドの組み合わせは、やはり美しいです。



リング幅いっぱいのダイヤモンドを1点留め

リング幅いっぱいのダイヤモンドを1点留め

エタニティリングの石の留め方で、ダイヤモンドを1点だけ輝かすと、このデザインになります。

ダイヤモンドの輝き方は、写真画像ではカメラが単眼なので落ち着いて見えますが、肉眼で見るとダイヤモンドは右目と左目の視差によって、よりファイヤがまばゆく見えるので、ダイヤモンドは1点だけでもファイアを撒き散らしてくれて存在感たっぷりです。

このデザインでは、ダイヤモンドはリングの幅いっぱいでリングの外には飛び出さず、重ね付けをしても隣のリングを引っ掻いたりしません。余計な肉抜きなどは行わないで、石の裏側に貫通穴が開かないようにしてもダイヤモンドが明るく輝くように工夫しています。そうすることによって汚れや異物が溜まりづらく、基本的には着けたままお風呂に入れば清潔に保たれてしまうメンテナンスフリーのデザインです。

石留めの無い男性リングのシンプルな雰囲気と、ペア感もいい感じです。



金属以外の素材について

金属アレルギー対応の指輪の素材として、ネット上で見つかる金属以外の素材があります。当然ですが、金属でない素材なら金属アレルギーが起こらないのは確かです。

代表的なものとしては、木の指輪、セラミックの指輪、プラスティックの指輪、ガラスの指輪、石の指輪が見つかるかと思います。

ただ木の指輪は、湿度変化に弱く、濡れたり乾いたりを繰り返す内にどんな木材でも早くて1年、数年以内には割れてしまいます。実は木の指輪については弊社でも実験や研究を繰り返していたことがあり、割れを防ぐために樹脂を含浸したりなども試しましたが、樹脂を含浸した木の指輪というのは、ほとんど樹脂の指輪と呼んだほうがいい物になってしまい、結局は頓挫してしまいました。

また、セラミックの指輪やガラスの指輪、石の指輪は、衝撃に弱く割れてしまうことが欠点です。そういう意味で、金属の硬さと同時に粘りがある物理的性質に敵う指輪の素材はなかなか見つかりません。金属は粘りがあるため割れることはありませんし、この粘り(=展延性)によってサイズ修正も出来ます。

プラスチックの指輪については、好みによっては、いいかもしれません。カーボンなども広い意味でのプラスティックなのでかっこいいと思います。日本の伝統工芸に古くからある漆(うるし)も広い意味でのプラスティックです。ただエポキシ系など樹脂の種類によってはかぶれが起きたりするので注意が必要です。

まとめ

以上、金属アレルギーで悩まないために、素材の選び方をお伝えさせていただきました。

要点をまとめると、

1.金属アレルギーの原因になる金属を身につけないこと
 =ニッケル、コバルト、スズ、水銀、パラジウム、クロム、鉄、アルミニウム、亜鉛、銅は避けて、これらを含むステンレスや真鍮にも気をつけること。メッキも避けた方が賢明。

2.身につけるならば、金属アレルギーの原因にならない金属素材を選ぶこと
 =タンタル、ハフニウム、ジルコニウム、ニオブ、チタンは安心。プラチナでしか出来ないデザインやどうしてもプラチナがいい場合はパラジウムフリーのイリジウム-プラチナ合金を、金ならなるべく純度の高い22金を選ぶこと。

3.衛生状態に気を付け、汚れが溜まったりしないデザインを選ぶこと
 
となります。



金属アレルギーの心配がない素材で結婚指輪を作りたい方に向けて、TOKYO DIAMONDでは本コラムで紹介した11種類の素材をご用意いたしております。

タンタル、ハフニウム、ジルコニウム、イリジウムはじめ、22金やイリジウム割プラチナなど様々な素材や、デザインのサンプル、
様々な素材やデザインのサンプルをご用意しています。

代官山までお越しいただけましたら、実際に素材に触れて、ご自身の目でご覧いただいた上でご注文が可能です。

お打ち合わせ・ご注文の詳細は<こちら>をご確認ください。



近、弊社サイトからの、文章、数値データ、材料物性などについて、無断転用を多く見かけます。転用は禁止しているわけではなく、むしろ活用していただきたいと思っていますが、引用元を明記していただけますよう、よろしくお願いいたします。


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