ファーストピアスのピアッサーは金属アレルギーになりにくい素材を選ぶこと
ピアスをつけるためには、耳にピアスホールを開ける必要があります。
穴を開けることをピアッシングといい、最初に付けるピアスをファーストピアスといいます。
ピアッシングは、専門医に開けてもらうか、専用器具のピアッサーを使って自分で開けるなどの方法があります。
ピアッサーを使う場合、針(スタッド)の部分がそのままファーストピアスになる仕組みになっています。ですのでピアスを楽しみたくてピアッシングをしたのに、そこで金属アレルギーを起こしてしまったら、ピアスホールが定着するのが困難になってきます。予防のためのポイントはピアッサー選びにあります。
ファーストピアス選びが重要な理由
ピアッシング直後のピアスホールは生傷ですので、ピアスをはずすとすぐにふさがってしまいます。
ピアスホールを完成させるためには、その傷をふさがず完治させなければいけません。
そのため、1カ月以上ピアスをつけたままでいることが必要となります。トラブルがなければ穴は1カ月~1カ月半で完成することが多いですが、この間は金属が体液で常に濡れているので腐食してイオン化しやすい状態、つまり金属アレギーの原因になりやすい状態にあります。
ピアスホールが完成するまでの時間が長いほど、アレルギーをはじめとしたトラブルのリスクが高まりますので、この間のケアはとても重要です。まず、ファーストピアスはイオン化しにくい素材を選ぶようにしてください。
ピアスホールを開けるのに、ピアッサーを利用している方は多いと思います。ピアッサーは、ホッチキスの要領で耳たぶに挟んで穴を開け、開けると同時にファーストピアスが装着される仕組みです。
厚生労働省に認可された医療器具と同じ扱いで、セットされているピアスは金属アレルギーを起こしにくい素材を使用し、減菌処理が施されています。
このように安全性には配慮されているので、「どれでもいいのではないか」と思われるかもしれませんが、素材もデザインもサイズもいろいろありますので、「どれでも」というわけにはいきません。
ファーストピアスの素材選び
ピアッサーに組み込まれているファーストピアスの素材は、サージカルステンレス、チタン、サージカルステンレスにチタンコーティングをしたものなどの金属のほかに樹脂のものあります。
サージカルステンレスは、鉄とニッケルとクロムとモリブデンの合金です。なかでもニッケルはアレルギーを起こしやすい金属のひとつです。そのため、肌が敏感などアレルギーの心配がある方は避けたほうがよいでしょう。
サージカルステンレスからニッケルが溶け出してトラブルを避けるためにチタンコーティングがされているピアッサーもあります。これは実際は純チタンではなくて窒化チタン(TiN)の蒸着メッキですが、窒化チタンの皮膜によってサージカルステンレス部分が体組織に触れない状態になるので、安心度が高いです。チタンコーティングは金色の皮膜なので一目でわかりやすいです。ただ、チタンコーティングは短期間のファーストピアスなら問題は起きづらいですが、コーティングが剥がれるとサージカルステンレスが露出してきますので、長年の着用や使い回しは避けましょう。
おすすめは純チタンです。ヘッド(飾り)の部分もキャッチ(留め金)の部分も各パーツ全てがチタンで出来た「オールチタン」のものが安全です。
他には、樹脂製のピアッサーもありますが、金属製のピアッサーに比べて素材が柔らかいので使い方によっては失敗もあるようです。また樹脂表面は金属に比べて雑菌が繁殖しやすいと言われています。ただ金属アレルギーの心配は全くないので、使い方やケアに気をつければ、金属アレルギーの方にとっては非常に有用です。
ポストの太さと長さ
金属アレルギーなどの肌トラブルを起こさないようにするために、ピアスのポストの太さと長さについても注意しましょう。
まずはポストの太さについて。
ポストの太さはG(ゲージ)で表され、数字が大きくなるほど細くなります。耳たぶに付けるピアスの場合、
一般的には16G、18G、20Gで
ミリに直すと
16G 1.2mm
18G 1.0mm
20G 0.8mm
となります。
ファーストピアスのポストは16G(1.2mm)が理想です。
一般的なファッションピアスに合わせて細めのホールにしてしまうと、セカンドピアスに付け替えるときにポストが入りづらくなる可能性があり、ホールを傷つけてしまう恐れがあります。そのため、ファーストピアスには太めの16Gが良いかと思います。
次にポストの長さです。短すぎると耳たぶがヘッドとキャッチに挟まれて締め付けられてしまいます。すると血行が悪くなり、鬱血することがあります。これにより穴が完成するのが遅くなったり、感染症になる可能性が出てきたり、最悪の場合、ピアスの皮下埋没が起こることもあります。
したがって、ピアスと耳たぶ、そして耳たぶとキャッチの間に、ある程度の隙間があるのが望ましいでしょう。
ピアッシングの後、腫れることも考慮する必要があります。耳たぶの厚さには個人差がありますが、ファーストピアスにおすすめなのは、ややロングタイプの8mmか、耳たぶが厚めの方は10mmを選ぶと良いでしょう。
以上のようなことに気を付けてピアッサーを選んでください。また、トラブルが起こった場合は、速やかに医療機関を受診しましょう(耳鼻科や皮膚科などでピアスホールをあけてくれるところもあります)。
おすすめのオールチタンのピアッサー
おすすめのオールチタンのピアッサーを以下に紹介しておきたいと思います。
こちらは、オールチタンのピアッサーです。
→ ピナック2 ピアッサー 19ゲージ
こちらは、ヘッドの誕生石が選べて、ポスト(軸)が純チタン、キャッチが樹脂なので安心です。
→ ワンダーワークス チタン製医療用ピアッサー
こちらは、「舌ピ・ベロピ」用なので太さと長さが耳用とは少し違いますが、さすがに常に口内の唾液に晒されるものなので、オールチタンで信頼性が高いです。
→ ジェーピーエス ボディピアス 純チタン製 ピアッサー
こちらは、樹脂製のピアッサーです。金属アレルギーの心配が全くないです。
→ ジェーピーエス セイフティーピアッサー 医療用樹脂製
他にも、「チタン ピアッサー」で検索してヒットするものがありますが、商品説明をよく読むと、ステンレスにチタンコーティングとか、他の金属パーツが組み合わせられたものもたくさん出てきますので、「オールチタン」であることをよく確認して購入することをおすすめします。
終わりに
ここまで書いておいて、私自身が高校生の頃にピアスを開けた時は、安全ピンが流行ったなー、なんて思い出しました。
パンクに憧れていた私も、安全ピンをライターで炙って、根性試し!みたいな気持ちで、一気に!
今考えると、安全ピンの素材は、多分ステンレス(18-8ステンレスかな?)で、刺して、そして安全ピンを閉めておけばファーストピアス、というふうだったので、結構金属アレルギーのリスクあったなー、なんて思います。
マネしないでください(笑)。
追記:
金属アレルギーが100%心配ない、タンタルのピアスを開発中です。
まもなく完成します。
開発の進捗は、こちらの記事に書かせていただいておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
→ https://ameblo.jp/ringology/entry-12586330314.html
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このコラムの執筆者
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