指輪のところが赤くカブれる原因は何?

結婚指輪を日常的に身につけている方は多いですが、人によっては何らかの肌トラブルが発症する場合があります。

よくあるのが、指輪が接している箇所にかゆみや赤み、腫れ、湿疹などが起きることです。

まず思い浮かべるのは金属アレルギーですが、かぶれる原因は金属アレルギーだけではありません。

手の指は全身の中で最もいろいろなものに触れる機会の多い場所といえます。

何かかぶれるものに触った覚えはないでしょうか?

指輪の汚れや皮膚の感染症なども疑ってみる必要もあります。



かぶれ=湿疹発症のメカニズム

皮膚が赤くなってかゆくなると、まず「何かにかぶれたのかな?」と思うのではないでしょうか?

それくらい、「かぶれ」というのは身近な症状です。かゆみを伴う皮膚トラブルというとその多くは「かぶれ=湿疹」です。

人体には、異物から体を守る防御反応として免疫機能が備わっています。

湿疹もその一つで、異物が侵入すると、血管が拡張してたくさんの白血球が集まり異物を排除しようと働きはじめます。

皮膚は腫れて熱を持ち、新陳代謝が活発となり、神経も刺激されるためかゆみが起こります。



接触皮膚炎の2タイプ

指輪が触れているところがかぶれるのは、接触皮膚炎かもしれません。接触皮膚炎は外的刺激が原因で起こるもので、原因となる物質の接触が続く限り治りません。

発症するメカニズムには次の2つのタイプがあります。

■一時刺激性接触皮膚炎

接触した物質の毒性のために発症する非アレルギー性の反応です。たとえば、強い酸、アルカリ、果汁、灯油、毛虫やクラゲ、山芋などが原因となります。

■アレルギー性接触皮膚炎

一度触れただけでは発症せず、何回も触れているうちに体がその物質を覚え、それ以降、その物質に触れるたびに拒否反応が起こるようになります。これがアレルギー性の接触皮膚炎です。

金属、植物、消毒液、化粧品など、身近に存在するものが原因となります。いままで使っていたものに、ある日突然アレルギー反応が起きる可能性があります。
無害な物質に反応するため、肌にやさしいとされるものを使っていてもかぶれる可能性はあります。

接触皮膚炎が発症したら、治療のためにも予防のためにも、原因物質を特定することが大切です。

また決して患部を掻きむしらないようにしましょう。

かゆみを抑えるためには、患部を冷やすのが有効です。原因物質を避けながら肌を清潔に保つよう心がけてください。症状がひどい場合は医療機関を受診しましょう。



指がかぶれる原因

■指輪の汚れ

結婚指輪をつけたままにしていて、かゆくなったりかぶれたりした場合、指輪に溜まった汚れが原因のケースがあります。これは一時刺激性接触皮膚炎のひとつです。

指輪をはずして、その内側を見てください。汚れがたまっていないでしょうか?指輪の裏側、特に穴が開いていたり、入り組んだ形や文字を刻印している部分は汚れがたまりやすく、皮脂汚れ、石けん、洗剤などが溜まっています。そこに溜まった汚れが刺激となってかぶれることがあります。

■カンジダ症

またカンジダ症の可能性もあります。カンジダ症はカビによる感染症です。

カンジダは人の口腔粘膜や腸管の中にすんでいる、誰にでも常在するカビですが、健康な皮膚に存在することはほとんどありません。これがたまたま皮膚に付着して増殖するとカンジダ症になります。

カビの一種ですのでジメジメした場所を好むため、水仕事を長時間される方に発症しやすいといわれています。

指輪と指の間は、水分が溜ってジメジメしやすいので要注意です。カンジダ症を発症した場合は皮膚科を受診し、外用薬を処方してもらうことで改善を期待することができます。

■金属アレルギー

以上のようなことに該当しない場合は、やはり金属アレルギーを疑ってみましょう。

指輪と接触している皮膚に汗をかくと、金属が溶け出し体内に入ることによってアレルギーを発症することがあります。

とはいうものの、多くの結婚指輪に使われるプラチナや金は、比較的アレルギーが起こりにくい金属です。しかし、稀にアレルギーを起こす方はいらっしゃいますし、混ざっている少量の銅やパラジウムに反応して起こる場合も少なくありません。またピンクゴールドは比較的、金属アレルギーの原因になりやすい素材です。

汗や皮脂が多い夏場は、特にアレルギーが起こりやすい季節ですので、アレルギーが心配な方は指輪をはずしておくほうが良いかもしれません。



指輪をつけたままにするメリットとデメリット

結婚指輪をつけたままの方、付けたりはずしたりする方、全く身につけない方がいらっしゃいます。

金やプラチナは水や洗剤にも強いため、あえてはずさずに水仕事をしている方も多いと思います。つけたままにすると失くす心配はありません。

しかし、以上のような皮膚トラブルが起こることがありますので、時々は指輪の裏を洗うことをおすすめします。

熱湯50ccに中性洗剤(マジックリンなど)をスプレータイプなら5〜10プッシュほど入れて指輪を浸すと、10分ほどで大体の汚れは浮き上がって取れるはずです。その後は流水で洗剤をよく流してください。



かぶれや金属アレルギーに配慮して開発したタンタルの指輪

弊社では、かぶれ、あせも、あるいはアトピーの方でも安心して身に着けられる指輪として、「タンタル」という希少金属の指輪を開発いたしました。

タンタルは、主に医療分野で、人工骨や人口心臓の部品、血管に通すカテーテルのような特殊用途に用いられる金属材料です。金属アレルギーの原因となる金属イオンの溶出が全く無いので(熱濃硫酸や王水にさえも溶けません)、金属アレルギーの心配や拒絶がなく、人体内に埋め込むような使い方ができる金属です。

このように鏡面に磨き上げたタンタルのなめらかな表面には、汚れが付着しづらいため、

指輪の内側の形状と仕上げにも工夫をして、日々、指輪を着けたままでお風呂に入浴をすれば、それだけで汚れはきれいに落ちてしまい、常に清潔に保たれるように設計しています。

そんな究極の安全性と、究極の優しさを追求して作られた弊社のタンタルの指輪は、アトピーに悩む方々にも、こちらのように →<アトピーに悩む方からのたくさんの喜びの声>をいただいています。


タンタルの指輪は、材料原価が高い上にオーダーメイドで1つずつしか作れず、価格としてはかなり高くなるので、購入できる方は限られてくるかもしれませんが、完全に金属アレルギーの心配がない安心感は他にはないので、覚えておいてもいいかもしれません。


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