ホワイトゴールドの指輪に金属アレルギーが発症した方へ、原因と対策

ホワイトゴールドは、金属アレルギーになりやすい金属を含んだ合金です。

今日は、ホワイトゴールドの金属アレルギーについて詳しく書きたいと思います。

もしかしたら、このコラムを読んでいる方は、購入時にプラチナよりも手頃であったホワイトゴールドを選んで、それで金属アレルギーが起きて悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

でも今は、ホワイトゴールドの材料であるパラジウムも金も暴騰していますので、その買い物は失敗では無かった、と思ってもいいと思います。今なら、おそらくかなり高値がつくのではと思いますので、金属アレルギーで着けられないものならば、作り変えを検討してもいいかもしれません。

そのあたりのことも、後ほど詳しくお伝えしたいと思います。


ホワイトゴールドのジュエリーで金属アレルギーの原因は大きく3つ

1.昔のホワイトゴールドに含まれるニッケル
2.最近のホワイトゴールドに含まれるパラジウムもトラブルになりやすい
3.ロジウムメッキをかけたホワイトゴールド製品も多く、メッキの下地に使うニッケルにも注意!

大きく分けると、この3つになるかと思います。

でも、最近は、ホワイトゴールドの原材料である金もパラジウムも暴騰しているので、ホワイトゴールドのジュエリーは見かけることが急に少なくなりました。プラチナに替わる安い代替品として開発されたホワイトゴールドが、プラチナよりも高くなってしまったからです。


ホワイトゴールドって何なの?白金とは違うの?

ホワイトゴールドと白金について、よく混同される方がいらっしゃるので、まず、この説明から始めたいと思います。

というより、そもそもひと昔前のジュエリー業界が、混同するようにネーミングをしたという悪しき原因がありますので、説明しておかなければなりません。

まず、白金(はっきん)というのは、プラチナのことです。

一方で、ホワイトゴールドというのは、日本語に直すと白い金となるので白金とよく混同されがちですが、まったくの別物です。ホワイトゴールドというのは、金(ゴールド)に混ぜ物をして白い色に変えたものです。混ぜ物には昔は安価なニッケルが、最近はニッケルが規制されたことを受けてパラジウムが使われます。

プラチナが工業用途(特に自動車の排気ガスフィルター)に使われ、一気に価格上昇した1990年代に、ジュエリー業界では、高価になったプラチナに変わって安価な代替品としてホワイトゴールドをプロモーションする動きがありました。

ニッケルやパラジウムは、どちらも金に混ぜるて合金化すると金の黄色味を消す脱色効果があります。重量比で金75%に対して、ニッケルまたはパラジウムを25%混ぜると、白色の合金になります。

ニッケルはいまでこそ金属アレルギーの原因になる物質として規制を受けたので宝飾品に使われることはありませんが、パラジウムはまだまだ添加物として使われています。14金ホワイトゴールドとか18金ホワイトゴールドなどをよく見かけます。

しかし、この後で説明しますが、このホワイトゴールドに混ぜられたニッケルやパラジウムが金属アレルギーの原因になることが多いのです。


宝飾品の金属アレルギーで避けるべきは、ニッケル、パラジウム、銅

金属アレルギーというのは、宝飾品などの金属製品から溶け出した金属イオンに対して、赤みやかゆみ、腫れ、湿疹などのかぶれの症状が出た状態です。

金属アレルギーの原因になる金属は、数多くの種類がありますが、ジュエリーの素材で特に気をつけるべきは、ニッケル、パラジウム、銅の3種類です。

これらは、多くの宝飾品に含まれているので、注意深く見てゆく必要があります。


ホワイトゴールドで気をつけるべきニッケルのアレルギー

まず、気をつけるべきなのが、昔のホワイトゴールドです。

目安として、1995年に施行されたPL法(Product Liability=製造物責任法)以前に作られたホワイトゴールド には、ニッケルが含まれている可能性があります。

PL法で、ニッケルが含まれる宝飾品の安全性が問題視されて以降は、用いられることはかなり少なくなったのですが、例えば譲り受けた昔のホワイトゴールドにはニッケルが含まれている可能性に注意が必要です。


ホワイトゴールドに含まれるパラジウムの金属アレルギーにも注意!

規制されたニッケルに変わって、ホワイトゴールドの割金(添加物)に用いられるようになったのがパラジウムという金属です。

ところが、このパラジウムの金属アレルギーの報告も最近増えています。

パラジウムは、歯科金属、いわゆる「銀歯」にもよく使われている金属です。

パラジウムを混ぜた金属は、錆びづらくなり、変色もしづらくなるので、歯科金属として重宝される素材です。

ところが、最近では歯科金属に用いられるパラジウムの弊害が取り沙汰されています。唾液に溶けたパラジウムが消化器官から吸収され、血液で循環をして金属アレルギーが全身に広がる「全身型金属アレルギー」の原因になることが報告されています。

事実、欧米の歯科業界では「幼児及び妊婦に、銅を含有するパラジウム合金と、水銀・銀アマルガム合金を使用しない」というように水銀とならんで規制・勧告の動きが出ているほどです。

宝飾品の世界では、パラジウムが規制されるような動きはありませんが、ホワイトゴールドに含まれるパラジウムが金属アレルギーの原因になる、ということは知っておいたほうがいいかと思います。


ホワイトゴールドの欠点を補うロジウムメッキにも注意!

もうひとつ、気をつけなければならないのが、メッキによる金属アレルギーです。

ホワイトゴールドは、銀色の地金の中では、とりわけ色が黒めの金属です。プラチナに比べて一段暗い色味です。

それで、ホワイトゴールドのジュエリー、特にウェディングジュエリーでは、純白に見えるようにロジウムメッキがかけられています。

ただ、このメッキに金属アレルギーが出る方が多いので注意が必要です。ロジウム自体は金属アレルギーの原因になりにくいのですが、ロジウムメッキ処理をする際に、下地としてニッケルメッキをすることがほとんどだからです。

メッキが剥がれてゆく過程において、下地のニッケルが露出し、汗で溶け出して金属アレルギーの原因になります。

ちなみに、プラチナのリングにもより白く見せるために、ロジウムメッキがかけられているものをよく見かけます。ここでもニッケルメッキが下地に使われています。

結婚指輪の純白のイメージを守るために良かれと思ってしていることなのかもしれませんが、残念なことにメッキという言葉のイメージがよくないためか、商品にはロジウムメッキについて何の説明もされないまま並んでいます。わたしは、一目見れば、それがホワイトゴールドやプラチナそのものの色なのか、ロジウムメッキの色なのかが分かってしまうので(かといってわざわざそんな事を指摘したりはしませんが)、少し残念な気持ちになります。これは世界に名だたるあのブランドだってそうなのです。業界が正されることを願ってやみません。

ニッケルという金属は、メッキの下地や、触媒、添加物など、金属の世界では有用で働き者の金属です。工業製品にもたくさん使われているのですが、金属アレルギーの原因になるという健康上の問題も多く抱えた金属です。


パラジウム暴騰、ゴールドも暴騰で、ホワイトゴールドを見かけなくなった

そんなホワイトゴールドですが、最近ではパラジウムの相場価格が暴騰し、ゴールドも暴騰したため、ジュエリーショップでも見かけることは少なくなりました。

例えば、指輪を1つ作るために、プラチナだと15gぐらいが必要です。

一方で、ホワイトゴールドだと比重がプラチナの2/3ぐらいなので、指輪を1つ作るために、ホワイトゴールドは10gぐらいで足ります。

しかもほんの20年前は、パラジウムは今の1/10ぐらいの価格だったので、原価はプラチナの半分以下でした。

これが、プラチナの代替品として、安価なホワイトゴールドが普及した理由でもあるのですが、今は(2020年7月現在)プラチナが1g約3000円に大きく下がったのに対して、パラジウムが約7000円、金も約7000円まで高騰(暴騰)しています。

すると、体積が大きいことを加味しても、ホワイトゴールドで作るほうがプラチナよりも高くなってしまいます。

これは、自動車の触媒材料が、プラチナから安価だったパラジウムに置き換わったことによって、投機マネーが流れ込んだことによる価値と価格の逆転現象です。

これでは色味はプラチナよりも暗い、しかも金属アレルギーの原因になりやすいパラジウムを多く含むホワイトゴールドを、使う理由がほぼ見つかりません。


もしかしたら、今のこの価格が異常な時に、ホワイトゴールドのジュエリーを売却してもいいのかもしれません。

ちなみに手前味噌ですが、2011年の時点で、今のプラチナの価格動向を言い当てるブログ記事を書いていました。
https://ameblo.jp/ringology/entry-10821104828.html

当時から、排気ガスフィルター用の触媒がパラジウムに置き換わることを、技術系の方面で聞いていたからです。

またプラチナの価格が戻ってくるのかというと疑問です。むしろ排気ガスフィルターの触媒は、パラジウムがニッケルで代替できる技術が普及するほうが可能性としては高いかもしれません。未来のことは分かりません。その頃にガソリン車がまだ走っているのかどうかも分からないです。


ホワイトゴールドの作り変えのご提案

ホワイトゴールドの結婚指輪に金属アレルギーが出て困っている方に向けて、作り変えのご提案をお伝えしたいと思います。

金属アレルギーの心配がなく、プラチナに近い見た目の「ハフニウム」という金属を使って、全く同じデザインを改めてお作りすることが可能です。

ハフニウムならば、金属アレルギーの心配をしなくていいので、ずっと安心して身に付けていただくことが可能です。

弊社には、結婚の時に購入したホワイトゴールドやプラチナの指輪で金属アレルギーが出てしまい、その指輪と全く同じデザインをハフニウムで制作して欲しい、というご注文をよくいただきます。みなさんがおっしゃるのは、「もっと早く知っていればよかった」というお声です。

ハフニウムは丈夫な素材(強度はホワイトゴールドの約2倍です)でもあるので、少々ラフに扱ってもキズや変形に強く、日常生活で指輪に気を使わなくていい!と男性にも好評です。

元々のホワイトゴールドの指輪から、留められているダイヤモンドを取り外して、新しく作るハフニウムの指輪に移植することで、愛着を引き継ぐなども可能なので、それもよろしいかもしれません。

どうぞ、お役立てください。


このコラムの執筆者


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