黒くて重厚感が魅力!タンタルの結婚指輪のデザイン21選
金属アレルギーの心配がないことから人気のタンタルの指輪ですが、金属アレルギーに関係なくとも、タンタルは魅力的な素材です。
ずっと着ける結婚指輪ですから、やっぱり安全なだけでなく、美しいもの、かっこいいもの、着けていて誇らしく思えるものがいいですね。
タンタルの魅力を挙げると、次のようになります。
- 重厚な見た目、ずっしりと重い手触り
- 黒い金属色
- 耐摩耗性、丈夫さ
- 滑らかな表面、透明感のある鏡面仕上げ
- サンドブラスト仕上げの肌の美しさ
- 黒さによってダイヤモンドの輝きが際立つ
それぞれの魅力を活かした結婚指輪のデザインを、実際の作例写真とともにご紹介したいと思います。
目次
タンタルとは?
宇宙で2番目に珍しい(存在度が少ない)希少金属です。
英語表記ではTantalum、タンタラムという発音のほうが近いですが、日本語表記ではタンタルとされることが多いです。発音はタンタル⤴︎だったり、タンタル⤵︎だったりしますが、タンタル⤵︎が元の発音に近いと思います。発音は<こちら>。
産地は主に中央アジアからロシアにかけて、他ブラジル、南アフリカ。タンタル灰重石やコルンブ石という鉱物の形で産出します。
酸にもアルカリにも侵されない安定性、人体に対する安全性から、人工骨やカテーテル、人工心臓や、脳内の血流検査などの先端医療に使われています。
融点が2996℃とものすごく高く、しかも超難削材であり、加工する職人泣かせの素材でもあります。(人ごとのように「職人」と書きましたが、加工するのは僕です。笑)
タンタルの素材のことを語り始めると、いくらでも長くなってしまうので、このコラムではデザインに関係したところに絞って、タンタルの魅力を見てゆきたいと思います。
【魅力1】重厚な見た目、ずっしりと重い手触り
タンタルは、ずっしりと重く(比重16.5)、黒い見た目と相まって、重厚感たっぷりのリングに仕上がります。このことから男性にも人気です。
リング正面に黄金矩形
平均的な結婚指輪の幅は3〜4ミリですが、幅6ミリと幅広になると、タンタルの重みをずっしりと感じます。実際に手に持ってみると、見た目以上に重いので、驚かれる方も多いです。このデザインはリングの正面をスパッと切ったようにして、切り口の断面が黄金比率の四角形になっています。
重厚感のあるメビウスの輪のペアリング
同じタンタル素材のメビウスの輪のデザインのペアリングで、男性リングと女性リングとでボリュームを変えて制作したことで、男性リングは重厚感たっぷりに仕上がっています。
鎚目加工にサンドブラスト仕上げ
ボリュームの大きさに加えて、鎚目(つちめ)仕上げという金槌で叩いてテクスチャーを付けた仕上げの上に、サンドブラスト加工で艶消しを施すことで、重厚感が強調されています。
多面体のデザイン
多面体のように面を刻んだデザインです。ランダム感がゴツい雰囲気を強調しています。
【魅力2】黒い金属色
タンタルは、この世界に存在する全ての金属の中で、もっとも黒い金属です。この黒色は、他の素材や塗装では再現することができない色味です。しかもメッキやコーティングによる黒色ではなく、金属自体の色が黒いので、永久に真っ黒なままです。
黒いタンタルと白いハフニウムのペアリング
黒いタンタルの男性リングと、白いハフニウムの女性リングのペアです。どちらも金属アレルギーの心配がない素材ですが、それぞれ好みに合わせて素材違いでお作りしました。
金の三日月象嵌
タンタルの真っ黒なベースに象嵌(ぞうがん)したイエローゴールドが、闇夜に三日月をくっきりと浮かび上がらせているようです。
トリコロール
タンタルの黒色、チタンの灰色、ピンクゴールド(女性リング)とイエローゴールド(男性リング)の金属自体の色を活かして、3色のデザインに仕上げています。
タンタルの黒とジルコニウムのパープル
タンタルの内側にジルコニウムを組み合わせて二重構造にしたデザインです。タンタルの黒さとジルコニウムの鮮やかなパープルとの対比が美しいです。
【魅力3】耐摩耗性、丈夫さ
タンタルは、プラチナやゴールドなどの貴金属素材に比べて2〜 3倍の硬さがあって、とても丈夫な素材です。その上、削れにくい耐摩耗性は、加工する職人泣かせではありますが、出来上がったタンタルの指輪は細密な装飾まで堅牢に仕上がります。
ハワイアン エングレイビング
タンタルにハワイの伝統的な彫り加工を入れたデザインです。硬くて耐摩耗性が高いタンタルに彫った彫刻は、このような細密な彫刻でも摩滅にとても強いです。
華奢な細身のペアリング
硬くて丈夫なタンタルは、金やプラチナでは成り立たないような細くて華奢なデザインにしても歪みや変形に強いです。このペアリングはもともと硬いタンタルに、プレスで強鍛造の加工を入れて、より丈夫に仕上げています。
プリンセスハグ
タンタルの堅牢さは、ダイヤモンドを力強くホールドしてくれます。この石留め法は、Princess Hug=お姫様だっこ、という弊社で開発した留め方です。プリンセスカットダイヤモンド(四角のカットのダイヤモンドをプリンセスカットダイヤモンドと呼びます)を、堅牢なタンタルがガッチリとホールドしてくれて、日常生活で着け続けられるデザインにダイヤモンドが輝きます。
クロコダイル
クロコダイルの模様を彫刻したデザインです。このような彫刻も耐摩耗性が高いタンタルに施すと、摩滅に強い、日常使いに適した仕上がりになります。
【魅力4】滑らかな表面、透明感のある鏡面仕上げ
タンタルは、際立って透明感の高い、鏡面に仕上がります。自刃研磨と言って、タンタルは研磨工程において素材自身が研磨材となって磨かれ、肌理(きめ)の細かい鏡面になります。その黒さと相まって、深い深い山上の湖のような透明感です。
なだらかな丸みの形
シンプルな丸みのリングですが、タンタルの透明感のある黒い輝きだけで、十分な特徴と存在感があります。
究極の着け心地の丸みの形
こちらのほうが、上記に比べてより丸みが強い形です。曲面に映り込む世界が美しいです。
【魅力5】サンドブラスト仕上げの肌の美しさ
サンドブラストというのは、ガラスの砂粒を圧縮空気で吹き付けて、艶消しにした仕上げです。梨地(なしじ)仕上げとも言います。タンタルにサンドブラスト仕上げを施すと、一段黒みが増した見た目に仕上がります。
タンタルとイエローゴールド
黒色のタンタルとイエローゴールドの色の組み合わせと、落ち着きのあるサンドブラスト仕上げが、渋くていい雰囲気ですね。
波の彫刻にサンドブラスト仕上げ
立体感のある彫刻にも、サンドブラスト仕上げのタンタルはよく似合います。
メビウスの輪(端面は鏡面仕上げ・側面はサンドブラスト仕上げ)
このように、サンドブラスト仕上げの中に部分的に鏡面研磨を入れたデザインは、鏡面部分の輝きが強調されます。コントラストが美しいですね。このメビウスの輪は、少し丸みを強調して着け心地が柔らかくなるようなアレンジを加えています。
マットな鎚目と、キラキラ輝く鎚目
このように、鎚目仕上げの上にサンドブラスト加工を施した男性リングと、キラキラ輝く鎚目仕上げの女性リングのペアも美しいです。
【魅力6】黒さによってダイヤモンドの輝きが際立つ
タンタルのリングに留めたダイヤモンドは、タンタルの黒さによって存在感が際立ちます。プラチナとダイヤモンドの組み合わせとは一味違った、コントラストの美しさです。
タンタルの鏡面仕上げとダイヤモンド
鏡面研磨仕上げとタンタルリングに、幅いっぱいのラウンドブリリアントカットのメレダイヤモンドを留めたデザインです。
タンタルのヘアライン仕上げとダイヤモンド
ヘアライン仕上げのタンタルリングに、プリンセスカットダイヤモンドを留めたプリンセスハグ・セッテイングのデザインです。四角のダイヤモンドとヘアライン仕上げが直線的でシャープな印象を強調しています。
タンタルの綾目ヘアライン仕上げとダイヤモンド
綾目状にクロスしたヘアライン仕上げのタンタルリングに、ディアナサンダイヤモンド・アンクを留めたデザインです。この雰囲気もまた美しいですね。
タンタルのサンドブラスト仕上げとダイヤモンド
サンドブラスト仕上げのタンタルリングに、ラウンドブリリアントカットのメレダイヤモンドを留めたデザインです。彫りの痕を残した「彫り留め」という技法で石留めをしています。シンプルだけどさりげなく特徴的です。
まとめ
以上、僕のタンタルに対する、たぶん世界の誰よりも深い”タンタル愛”が伝わると嬉しいです^^
まとめると、
- 重厚な見た目、ずっしりと重い手触り
- 黒い金属色
- 耐摩耗性、丈夫さ
- 滑らかな表面、透明感のある鏡面仕上げ
- サンドブラスト仕上げの肌の美しさ
- 黒さによってダイヤモンドの輝きが際立つ
という、タンタルの6つの魅力的な特徴と、その魅力を結婚指輪として形にした21のデザインをご紹介させていただきました。
これらは全て、実際に結婚指輪としてオーダーメイドでご注文いただいて制作したデザインです。ほんのわずかなニュアンスの違いや組み合わせの違いでタンタルは様々な美しい表情を見せてくれるので、完成する度に新しい発見があります。
どうぞ、結婚指輪をオーダーする際の参考にされてください。
他にも、TOKYO DIAMONDで扱う11種類の素材は、こちらで一覧にまとめています。
→ 11種類の結婚指輪の素材一覧
このコラムの執筆者
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