ピアスはコーティングで金属アレルギーが解決するの?各種コーティング商品の比較も
「気に入っていたピアスに金属アレルギーが出るようになってしまったので、コーティングできませんか?」
「コーティングは、実際、どうなんでしょうか?」
そんな、ご相談をいただきます。
また、
「アクセサリーとして気軽に着けたいピアスなので、タンタルやハフニウムで作る10万円超えのものだと、費用的にちょっと。。。」
こんな方には、お持ちのピアスや、気に入ったピアスに、コーティングするのがいいのでは、とお伝えしています。
そこで今日は、金属アレルギーに対応するための、コーティングについて詳しく書きたいと思います。
あくまでもコーティングは、応急処置という考え方
大前提として、私個人としては、コーティング反対派です。
そのことを明言した上で、今日の話を始めたいと思います。
なぜならば、コーティングで表面を取り繕っても、その表面加工が剥がれてきてしまったら、たちまちトラブルの原因になるからです。
その名の通り、表面加工ですから、根本的な解決にはなりません。コーティングは、あくまでも応急処置の一部というように考えています。
逆に剥がれないコーティングがあったら、除去が大変です。失敗した時や、一部が剥がれて再コーティングしたい時に除去ができないと困ってしまいます。
そういう意味で、いい素材、安全な素材を選ぶことをオススメしていますし、これまでの注文品に於いてもコーティングやメッキで表面を取り繕ったものなどは、お作りはしていないのが実際のところです。
ただ、費用のことを考えたり、気軽なアクセサリーとしての使用や、特にピアスのような無くすことも多いものであることを考えると、現実的にはコーティングの一択になるのではないか、とも考えています。
コーティングが有効なものと、有効でないもの
コーティングは、肌に触れる金属部分が全体的に覆われていなければ、効果は期待できません。
そういう意味で、ピアスは、ポストの部分をコーティングで覆うことで、金属が肌に触れなくすることができるので、コーティングが有効です。ちなみにキャッチの部分はコーティングで覆うことが難しいため、シリコン製のキャッチに交換するほうが安全だと思います。
リングは、コーティングがあまり有効ではありません。リング内周はともかく、外側は着けているうちに色々なものにぶつかるので、すぐにコーティングが剥がれてきます。コーティングが剥がれた外側の部分が、リングを着けている両脇の指に当たってトラブルの原因になりやすいです。
他、ネックレスもコーティングはほとんど効果がありません。というよりチェーンにコーティングがされないですし、仮にドブ漬けをするとチェーンはカチコチに固まってしまいます。他、腕時計もバンド部分のように可動するものはコーティングが有効に働いてくれません。
バングルや、イヤリング、イヤカーフ、アンクレット、には、コーティングは有効です。
金属製品に塗るコーティング剤の種類について
金属アレルギー対策として用いられているのが、プラスティック(樹脂)のコーティング材です。マニキュアのような扱いで、簡単に扱えるのが特徴です。
現在、市販で手に入るコーティング剤は、メタルコート、アレルギークリア、Sweat Barrier、の3種類があります。
メタルコートはアクリル系樹脂のため、リムーバーやマニキュアの除光液など有機溶剤で除去でき、使いやすいです。
アレルギークリアは、成分は変性シリコンとIPA(イソプロピルアルコール)溶媒。被覆力、耐久性はアクリル樹脂に比べて高くて長持ちするようですが、宝石部分に付着すると宝石が曇ってしまい、また除去もしづらいのがデメリットです。
Sweat Barrierは、成分はフッ素樹脂とフッ素系溶媒。無色透明の薄い皮膜で、宝石類に付着しても、見た目も大きく変わらないようです。
3つとも、多少の被覆力の違いはあれど、いつかは剥離してしまうことには違いがないので、繰り返し塗布をして使用することを考えると、綺麗に除去をして再塗布がしやすいメタルコートが使いやすいのでは、と個人的には思います。
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このコラムの執筆者
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